同样是硬件商帮助软件商,任天堂提携小S,NEC提携ELF
http://inanna.sakura.ne.jp/hirutamasato.html◆NECとの絡み◆ 2013.1.4
全盛期のエルフはNECとの提携が大きかった。当時はNECのPC-9801やPC-9821というパソコンが主流で、要するにエルフの面白いゲームをプレイしようと思ったら、NECのパソコンを買わねばならなかったのだ。NECの有力者にしてみれば、蛭田氏を自分達のグループに入れて支援して面白いゲームを作らせれば、ますますPC-98が売れるというわけだ。音楽CDの発売や、コンシューマ市場への参入でもNECの力添えが大きい。コンシューマ(セガサターン、PCエンジン)ではNECアベニュー・NECインターチャネルという会社からソフトが発意されており、要はNECとセガが利益をガッポリ持って行く。当時のパソコンは、まだまだ20万円以上はした。エルフのゲームをプレイしたいけど、パソコンは高価で買えない人は、セガサターンやPCエンジン(NECと関連の深いゲーム機)を買う必要があった。NECやセガの有力者とも仲良くやっていたというわけだ。
しかし時代が変わりWindowsの時代、Window95を最後にNECはパソコン分野ではシェアを著しく落とす。NECのPC-98大好きだった筆者(実際にはエルフのエロゲが大好きなのを混同していた筆者)も、Windows98の時代にはNECからの魔法が解けた様に富士通のパソコンを買っていた。ユーザーは単にアリスやらカクテルのエロゲができるからPC-98を買っていただけで、どのメーカーPCでもエロゲができるならば、NECなんかには興味は無い。エルフのリメイクゲームだって、どのPCメーカーのDOS/V機でも動くようになった。NECのPC機だけで動くソフトなんてのは作るわけにはゆかないのだ。そして、筆者も以後はNECのパソコンを買った事は一度も無い。家族のPCもNECのなんて一切無縁だ。セガもプレイステーションに敗北し、ゲーム業界でのシェアを落とす。
NECやセガそのもののパワーもダウンしたが、もはやエルフ・蛭田氏の利用価値も著しく低減した。つまり、蛭田氏は非道にも用済みとされたわけだ。美少女ゲームを作っている人を疎ましくも感じ、切り捨てたかった。NECを筆頭として、各業界の有力者に捨てられた事こそが蛭田氏の引退理由ではないだろうか? もちろん、人物的にも振られたのだろうが、エルフ社を掌握されてしまった後は代表取締役を降ろされたという事実もあるだろうか。引退前の最後の作品・鬼作が酷く才能を欠いた作品だと指摘される理由としては、既にその時にはハシゴを外されており、打ち拉がれながらなんとか完成だけは実施したという状況ではないのだろうか? 蛭田氏の引退は2000年、鬼作の発売は2001年、タイミング的にはピッタリだ。そして、強力なペルソナを降臨させる必要がある同級生3は立ち消えた。NECからの資金の支援も無いのだ。
今になって筆者は、蛭田氏が相当に傷付いている事を慮っている。