ゲーム会社大手の任天堂は、平成19年3月期業績予想の大幅な上方修正を発表した。これまで7400億円とされていた売上高は、今回一気に9000億円まで引き上げられる。
同社の売上高予想はこれまでも過去最高だったが、売上高はさらに伸びる。ここ数年の5000億円規模を80％近く上回ることになる。
また、売上高の予想引き上げに伴って、経常利益も1700億円から2100億円、当期純利益は1000億円から1200億円に上方修正された。
任天堂によれば、今回の業績修正の理由は携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」のハード機とソフトウェアの売上高が全世界で好調であるためである。それ加えて、そのほか製品の売上高も順調であるとしている。
しかし、米国では11月に日本では12月に発売された「Wii」も販売の好調が伝えられるが、今回の業績修正には含まれていないようだ。
今回、任天堂が販売好調としている「ニンテンドーDS」は、ゲームの扱い易さや魅力的なゲームソフトの提供により、これまでのゲームユーザー以外のファン獲得に成功している。日本では、商品が店頭にほとんど残らないほどの売れ行きで話題を呼んだ。
また、任天堂はゲーム機だけでなく、DS向けのソフトで『おいでよ動物の森』や『もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング』、『ポケモン』シリーズ（グループ会社が発売）などのヒット作品を続出させた。ハードとソフトの両方で、売上げを伸ばした。
また、任天堂は好調な業績を背景に、期末の株式配当金の予想も引き上げた。これまで平成19年3月期の配当金は1株あたり期末330円、年間400円だったが、これが期末410円、年間480円となる。こちらは前年比で20％程度の増加となる。
今回の予想の修正は、同社の株の配当方針が営業利益に比例して増加するようになっているためである。